ユーリの“誕生日”とスマイルについて

 スマイルは時間への感受性が人間のそれとは違くて植物に近いので
ユーリが起きていて目の前に現象として存在している事実に特別を感じて、常に影響を受けているので、現象を無視して切り取られた24時間だけ“誕生日”として何故祝うのかわからない。
スマイルにとってユーリの誕生日は違和感の1日なのである。

 スマイルがユーリの誕生日をその日に特別だからと祝う必要はなく
どんな時もユーリに誠心誠意ときめいて向き合っているスマイルは
毎秒毎秒ユーリに照らされて
その日一日だけやってくる人々を複雑な気持ちで、嫉妬しながら見つめている。

 素の感性は人間より動物に近いのかもしれない。
だから、人間が当たり前のようにこなす営みを形だけ真似たり興味を持つことはあり
実際にこなしてみるけど
共感を見いだせず、違和感を募らせていく。
機嫌が悪くなるのだ。

 だから、ユーリの誕生日はスマイルの機嫌が1年で1番悪い。
ユーリが悦ぶならなんでもするだけで、今更しゃしゃりでてくる奴らに違和感を募らせているのだ。
そんなスマイルをわかっていて、自分だけ楽しんでいるユーリは本当に酷い。
このなんでもない日だけはユーリが微笑んででいる様子も忌々しく感じるのだ。

 ヒタヒタと違和感に追い込まれている自分を見て最高に嬉しそうな微笑を浮かべるユーリの顔を見ると、何もかもユーリら本気で悦んでいると自覚して、勃起してしまうスマイルなのである。

 9月16日にウチのスマイルの逃げ場はないのである。

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