夏でもユーリの城は冷房無しでも洞窟のように冷んやりとしている。
ユーリとスマイルは気分転換でもする気にならなければ、わざわざ太陽が猛威を振るう外に出ようとは思わない。アッシュは夏は海へ山へと自分が作ったチームと群れるのに忙しい(湘南などでオープンカーで洋楽ガンガン流して半裸のエグザイルみたいなやんちゃな集団がいたら、それは人狼の群れかもしれない)ので、城にはユーリとスマイルと蝙蝠たち+αしかいない。
万年雪で閉ざされた城だけど、不思議と陽射しだけは夏のようなので、冬よりも分厚いカーテンは閉ざされ、ユーリの部屋はキャンドルの灯りしか無い。香は心なしかエキゾチックなものが選ばれているようだ。テキスタイルも所々ユーリが四季を感じれるように、スマイルが気を利かせて香に合うものにかえているらしい。
南国に別荘もあるのだが、本格的に出掛けずスナック感覚で白昼夢のように夏を感じたい時は、ユーリが長く寝ている間にジャングルへと変貌させたサンルームに大判のスカーフに毛布一枚と、飲み物にフランスパン一本と南国っぽい果物を適当に、両側に持ち手のついた籠に入れて、日がな一日日光浴をして過ごす。ムシムシとした偽物のジャングルで裸でゴロゴロしたり、探検をしたり、愛し合ったり、だらしなく飲み交わしたりを繰り返す。
夜は夜で、太陽が隠れ一気に冷え込む中で満点の星を見ながら、毛布にくるまって一日中遊んで疲れた身を寄せ合って髪を引っ張りあったり手遊びをしたり口を塞ぎあったりして、子どものお泊まりの夜のように過ごす。
其処だけは城の雰囲気とは切り離されて、生命に溢れているので、ユーリも其処を大切な場所と思っているので、盗人のように1人で入り込むような事はしない。
夏にスマイルがサンルームに誘ってくれるのを楽しみに待っている。
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